◆冒頭
企業の経営者やご担当の方からよくいただく質問に、
「昨日1時間残業したから、今日は1時間早く帰らせました。それで残業代を払わなくても問題ないですよね?」というものがあります。
一見すると、労働時間の帳尻が合っているようにも思えますが、実はこの運用方法には注意が必要です。
今回は、「残業時間を翌日に調整することが合法かどうか」を、労働基準法の観点からわかりやすく解説します。
◆結論:原則として「違法」
結論から言えば、
「1時間残業したから、次の日に1時間早く帰らせる」として残業代を支払わないのは、原則として違法となります。
なぜなら、労働時間の管理・計算は1日ごとに行うのが労働基準法の基本となっております。
労働基準法第32条では、「使用者は、労働者に1日8時間、1週40時間を超えて労働させてはならない。」と定められています。
つまり、「昨日多く働いた分を他の日で調整する」ということは、残業したその日の賃金が全額支払われなくことになります。
◆まとめ
「実際に行った残業時間分を調整して払わない」ということが違法であるため、例えば残業代を支払いつつ、「前日は遅くまで残業していたから、今日は早く帰ってもいい」と言うこと自体は違法にはなりません。
但し、早く帰らせる場合、その時間分の賃金を会社が支払うのか、早退として控除するのかもトラブルになりやすいところです。(場合によっては、会社が「休業手当」を支払う必要が生じる可能性もあります。)
賃金に関することは、大きなトラブルに発展しやすいため、他の日に調整する際はご留意ください。


