◆冒頭
東京都内のキャバクラ店でキャストとして働いていた「女性A」が、未払い賃金の支払いなどを求め訴訟を起こした。
女性Aは「業務委託契約」を結んで働いていたが、東京地方裁判所は女性Aを労働者と認め、約2,000万円の支払いを会社に命じました。(令和7年6月25日 東京地裁判決)
この裁判では何の契約を締結していたかではなく、実際の働き方が争点となった重要な裁判です。
今回はこの判例について、解説いたします。
◆業務委託契約の内容
- 給与は時間給(最低2,000円)に指名やボトルなどのバックをプラスした金額
- 遅刻30分ごとに1,000円、当日欠勤は15,000円と無断欠勤は25,000円の罰金がある
- 給与からは10%の税金、5%の厚生費や送り代(交通費)が控除される
◆判決のポイント
「業務委託契約」の場合は、「許諾の自由」が存在するため、委託された業務を行うかどうか、またどのように行うかは、受託者が自由に決定できる権利があります。
これに対し、「雇用契約(労働契約)」とは、会社と労働者の間には、「使用従属関係(使用者である会社に使用され、労務の提供に対し賃金が支払われる関係)」あり、会社からの指揮命令を受けるため、正当な理由などがない限り、基本的には命じられた業務に取り組む必要があります。
今回の判決では、シフトはキャストの希望により決められ、前日までなら変更も可能であったが、遅刻欠勤した場合は罰金が科せられていたことによる拘束性を以って「許諾の自由」に一定の制限があると判断されました。
また、時間給を原則とした報酬設定、タイムカードによる時間管理や接客業務とはいえ働く場所が店舗という場所的拘束性があることにより、労働者性を強く主張できる要因となりました。
◆まとめ
現在は本業だけでなく副業・兼業により、「業務委託契約」で働いている方が一定数いらっしゃいます。
会社は「業務委託契約」を結んでいるから安心ではなく、実際は労働者と同じような扱いで業務を委託していた場合、注意が必要です。
実際に労働者と判断される場合は、最低賃金や残業代などの様々な法律が関わってきます。
もし、ご不安な方は、ぜひ当事務所までご相談ください。


